2024年最初のハタケ部の活動は、押田さんによるお米の食べ比べ会と、自宅でできるコンポストについてのお話会です。
お米はミルキークイーンと、彩のきずなの2品種を食べ比べ。今回のイベントには、13名の方にご参加いただきました。
埼玉県久喜市でもともとご実家が米農家だったが、会社員に。
子供が生まれて「食の安全性」が気になるようになり、両親の高齢化もあって、自身も「米作り」の世界へ踏み込む。
現在は会社員と、米農家を兼業されています。押田さんは2つのこだわりを持って、お米づくりを実施しています。
1つ目は化学肥料によって無理にお米を太らせるのではなく、自然の力を引き出す元気な土づくりで、本来のお米の「優しい美味しさ」を引き出します。
2つ目は捨てない・燃やさないを日頃から心がけ、自然の中にいる菌たちの力をかけて、有機物を最大限利用する循環型の農業です。
押田さんは米作りをする際に使用する、肥料にもこだわっています。公園で回収された「落ち葉」をもらい、
発酵させたものや家庭から出た生ごみを「LFSコンポスト」で堆肥にしたものなど、自然由来の肥料を使うことで、土本体の力を引きだしています。
コンポストは堆肥や堆肥をつくる容器を指し、家庭から出る生ゴミや落ち葉、下水汚泥などの有機物を、微生物の働きを活用して発酵・分解させる方法です。
栄養豊富な堆肥を自作でき、家庭菜園や花の栽培にも活用可能です。
堆肥でできた野菜や果物は美味しいだけではなく、安心して食べられるようになります。
コンポスト容器に生ゴミを入れると、容器の中には四季それぞれに働くたくさんの微生物によって、自然界よりもかなり早く堆肥化を進めます。
自作した堆肥を土に加えると、より効率的に土の栄養を補えます。
「落ち葉」の堆肥には、カブトムシがたくさん卵を産むため、肥料の中で大量の幼虫が育ちます。
そのため、近くの保育園に寄付するほか、農園見学に来られたお子さんに喜んで持ち帰ってもらっています。
お米は効率が悪い作り方と言われるが、押田さんはこだわって4種類を作成しています。
品種は「彩のかがやき」「ミルキークイーン」「彩のきずな」「こしひかり」の、4つです。
特に、「彩のかがやき」は埼玉県内で、唯一「得A」評価を獲得しています。
自家製の完熟発行堆肥を使用して、「てまひま米」として優しく美味しいお米づくりを行っています。
4品種のそれぞれの特徴は、以下のとおりです。
彩のかがやき:コシヒカリのようにおいしく、さっぱりとした甘さ、ふっくらとした食感
ミルキークイーン:低アミロースの品種、冷めても美味しく食べられる
彩のきずな:甘みと旨味のバランスが取れた品種、弾力のあるなめらかな食感
こしひかり:甘みや粘りが強い、香りやツヤもとてもかおりの良い品種
試食会では「彩のかがやき」と、「ミルキークイーン」を試食します。
「彩のかがやき」はお米の味が濃く、「ミルキークイーン」はもちもちとした食感です。
品種が違うと、「味」も全然違ってくると、試食によって実感します。
特に、「彩のかがやき」は焼肉のたれをバウンドさせて食べると、めちゃくちゃ美味しく、食が進むという意見もでました。
実際に試食をした人から感想を聞くと、「どちらも美味しく、お米だけでも箸がどんどんと進んでしまった」とのことでした。
どちらのお米が美味しかったかを聞くと、意見が半々に分かれました。
今回は押田さんにお越しいただき、お米の美味しさや堆肥を作るコンポストについて、教えていただきました。
コンポストは家庭の生ゴミを活用してできる堆肥であり、安心して食べられる食物作りにつながります。
実際にコンポストを活用した堆肥で作った、お米の食べ比べを実施しました。
味の濃さや食感の違いなど、普段はあまり意識しない点を認識する機会となりました。
今後もハラッパ団地では畑に関する学びや、イベントなどを発信してまいります。